マンガ以外の作品を漫画化したものの総称です。
基本的には、原作の宣伝のための漫画であったり、人気作品のスピンオフとして企画されることが多いです。
そして今回は、コミカライズ作品がたくさん企画されているポケモンさんが原作のコミックを引用参考にさせて頂きまして、コミカライズの内容傾向の違いを見ていきます!
項目リストと前提
コミカライズに当たって、原作をどう取り扱うかによって変化するのが醍醐味です。
- 作者(敬称略)
- シナリオの特徴
- コミックオリジナルキャラクターの有無
- レーベル分類
・ポケモンという作品は、システム上、主人公やライバルなど一部のキャラの名前を自分で決めることができますので、主人公の名前は一律ではありません。
・プレイヤーキャラは基本的に無口なので、コミックでどのようなキャラ付けをするかセンスが問われまね(シナリオ・キャラクター監修が入っているかもしれませんが…)。
※現地点の世代別バージョン(/はマイナーチェンジや同時期のリメイク作品)
・初代(赤・緑/青・ピカチュウ)
・第2世代(金・銀/クリスタル)
・第3世代(ルビー・サファイア/エメラルド/ファイアレッド・リーフグリーン)
・第4世代(ダイヤモンド・パール/プラチナ)
・第5世代(ブラック・ホワイト/ブラック2・ホワイト2)
・第6世代(Ⅹ・Y/オメガルビー・アルファサファイア)
・第7世代(サン・ムーン)
現在も連載が続いている作品
ポケットモンスターSPECIAL
赤、緑の時代から現在まで続いており、長く愛読されているコミック。
最近では新作が出るスパンが速く、レーベル分けされて各雑誌で連載中のようす。
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- 漫画:真斗(1~9巻)、山本サトシ(10巻~)/シナリオ:日下秀憲
- 「図鑑を埋めていく」「ジムバッジを集める」「悪い組織の野望を阻止する」などという基本的なゲームでの目的が含まれている。
原作ゲームのシナリオに沿いながらも、キャラクター設定、シナリオの流れにオリジナル要素を多く組み込み、キャラクターそれぞれに個性と役割を振っている。
シリアス傾向があり、感情や意志の表現が多いように感じられます。 - ピカチュウ、エメラルド等、マイナーチェンジ編の時にオリジナルの主人公が出ることがある。(最初に旅に出るポケモンと主人公の数合わせなのかもしれない)
その他、敵対組織等にもオリジナルのキャラクターが出ることがある。(他の派生ゲームから引用されているキャラクターも居る) - てんとう虫コミックスSPECIAL(コロコロイチバン/クラブサンデー)(小学館)
ポケットモンスター
赤・緑の時代に先駆けて企画されたコミックです。
今でも連載が続いており、ギャグ漫画ならではの勢いで展開されていますが、小学生レベルのオゲレツネタもあるので苦手な人はちょっと注意。
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- 穴久保幸作
- 「ピッピ」というポケモンが主人公に当てられているので、基本的にポケモンは人の言葉を話します。
ギャグなので、原作シナリオ通りの展開はほとんどありません。 - プレイヤーやライバルなどは原作のままのデザイン。初期のバージョン毎のキャラクターとして出てきたキャラクターや、一話一話のキーマンとなるキャラなどでオリジナルキャラクターが出てきます(一回きりのキャラや、インパクトの凄いモブキャラも気合が入っている)。
- コロコロコミック(小学館)
一冊読み切り
まんが版―ポケットモンスター全書
ポケモン漫画の中ではかなり忠実に描かれている作品!
原作好きならこれで決まり!
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- 中村里美
- 「全集」の名の通り、原作通りにシナリオが進み、初代で確認されるすべてのポケモンが登場していることが特徴です。それに加えて、ゲーム中に出てこない設定がいくつか出てきます。
- 主人公の名前が「サトシ」、ライバルが「シゲル」ですが、アニメとは関係ありません(原作ゲームで名前の選択肢に出てくる名前のひとつです)。
- ビッグ・コロタン(小学館)
ポケットモンスター1Pコミック劇場
ポケットモンスター 4コママンガ劇場にも含まれる初代の作品です。
当時、ゲームコミックを多く出していたエニックス出版から発売されました。
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- 成田美穂
- 原作通り、「博士に図鑑を埋めるようにと頼まれる」ところから始まります。読み切り一冊でゲームクリアまでは行きませんが、タイトル通り、1ページに1本のペースで進んでいく漫画です。
主人公はプレイヤーですが、「ピカチュウ」を中心に、人気のキャラクターである「ピッピ」をヒロインとしています。 - ポケモンは言葉を話します。
モブキャラクターのほとんどが原作に登場するジョブのキャラクターとなっています。 - ギャグ王コミックス(エニックス出版※現スクウェア・エニックス)
4コマ漫画
ポケモン4コマ大百科
ゼニガメやヤドン、ルージュラなど、一部のポケモンを主に構成されています。
最近では人間キャラはあまり出ず、ポケモンが中心の漫画となっています。
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- やましたたかひろ
- 1匹につき一本の構成で描かれていたり(この構成でコミックス化されることが多いため)、学校へ行ったり、人間と同じような生活を送るポケモンたちのシリーズものも含まれます。
- ポケモンしかほとんど登場しませんが、人間キャラが登場する際に、オリジナルのキャラが出ることがあります。
- てんとう虫コミックス(小学館)
ポケットモンスター 4コママンガ劇場
アンソロジー形式で、たくさんの作家が4コマ漫画を描かれています。プレイヤー視点で読めるので、ネタのひとつひとつにクスリとしてしまいます。
かなり古いマンガなので、今は入手が難しいかも…
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- 向水遙、他
- 「ゲームシステム」について触れられている作品が多いです。シナリオに関しては、小ネタをよく拾われていますので、原作を隅々までプレイした人におすすめしたいコミックです。
- 作品によってはポケモンが言葉を話します。
作家がひとりではないので、色々なパターンの作品が読めることが特徴ですが、プレイヤーのデザインはそのままです。 - ギャグ王コミックス(エニックス出版※現スクウェア・エニックス)
連載終了作品
PiPiPiアドベンチャー/チャモチャモ☆ぷりてぃ♪(第3世代)
スピンオフ作品として企画された作品。
現在は連載終了していますが、「女の子向けのポケモン漫画」は珍しいですね。
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- 月梨野ゆみ
- 少女漫画誌のため、女の子向けのかわいらしいポケモンと、主人公の女の子とその周囲の関係を描いたハートフルなストーリー。ポケモンの住む世界での少女漫画という印象。
「ピカチュウ」「ピッピ」「プリン」がメイン。(第3世代では「アチャモ」がメイン) - 原作のキャラクターは全く出ません。(第3世代では「ハルカ」という少女が出てきますが…)
- ちゃお(小学館)
ポケットモンスター金-銀ゴールデンボーイズ
第2世代と呼ばれる時期の漫画です。
多くの謎を残したまま連載が終了してしまった作品です。
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- 斎藤むねお
- 基本的には「第2世代の原作どおりのシナリオ」で進められますが、ジム戦やキャラクターとの出会いなどがアレンジされており、面白さが表現されています。
- 設定はオリジナルが含まれており、未来からやってきたポケモンなどが存在しますが、キャラクターは原作通りに登場します。
- コロコロコミック(小学館)
ポケットモンスターダイヤモンド・パール物語 ポケモンDP
第4世代と呼ばれる時期の漫画です。
少年漫画らしい熱いバトルも見所です。
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- 伊原しげかつ
- シナリオは原作の展開に個性キャラクターを加え、独自の世界に練り込まれています。
- 悪の組織やキャラクターの服装は原作通りですが、主要キャラクターはオリジナルとなっています。主人公の父親や、オリジナルシナリオ上のキャラなども登場。
- コロコロコミック(小学館)
ポケットモンスターRe’BURST
第5世代と呼ばれる次期に合わせて企画された作品です。
ポケモンと人間が合体して戦う新しい物語です。
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- 田村光久
- 原作のシナリオには沿わず、完全にオリジナルの世界で構成されています。しかし、他の作品では見なかった、「戦わせる」のではなく、「自ら戦う」ことにテーマを当てられた作品です。
- 原作のキャラクターは全く出ません。
- 少年サンデー(小学館)
おわりに
今回ご紹介した例の他にも、たくさんのコミカライズ作品が生まれ続けているポケモンさんですが、この作品を並べたあくまでも個人的な見解でまとめをさせて頂きます。
■法則性が見える
- 人気(もしくは公式が売り出したい)キャラクターがわかる→「ピカチュウ」「ピッピ」など、多くの作品で登場率が高いキャラクターがわかります。
- 主人公の名前の付け方→初代は「レッド」が大多数を占める。赤、緑という2バージョンが同時発売されましたが、主人公の「身に着けている服装が赤い」ことや、選択肢に含まれていたことから。
- 初代以降のコミカライズは比較的に短い期間での連載が多いように感じます(企画の最初に連載期間が決まっているのかもしれません)。宣伝としては短期的に行うほうが良い?
■コミカライズについて
- いかに原作を面白く伝えるかをオリジナル要素を入れることによって表現の違いが作品によって変わることが差別化になっているように感じます。。
- 読切や、アンソロジーは、販促・広告的効果が強いと感じる。(システム重視が多いなど)コミカライズは原作の宣伝企画が多いので読者への知識補完傾向に落ち着きやすい。
- 原作ファンにはデザイン、オリジナル要素などの原作との差異について賛否両論なところもあるため、売れるか売れないかが世に出てみないとわからないことが担当にとっては難しいところでしょうか…
タグ 漫画表現