あらすじ
高校生であり天才書道家の半田清はそのクールで人を寄せ付けない佇まいから全校生徒に慕われ崇められている「学園のカリスマ」なのだが、当の本人は「学校での嫌われ者」だと思いこんでいた！
思い込みが激しく、ふさぎ込みがちな半田くんと、周囲の人たちの勘違いは続いていく。
自己完結で成立しちゃう勘違い青春コメディ。
登場人物
半田 清（はんだ せい）
高校2年生の若き書道家。
ネガティブ思考とふさぎ込みをこじらせており、周りの声がまったく聞こえておらず、周りの人が自分のことを好いていることに気づけていない。
しかし、やることなすことが何故かプラスに働いてしまう（当の本人はマイナスに捉えている）。
川藤鷹生（かわふじ たかお）
半田くんの唯一の友人。
書道での中学からの付き合いで普通に接する。
みよ子
半田くんの隣の席の女の子。
ネタバレ感想
半田くんには唯一、川藤という友達がいる。しかし、半田くんは嫌われ者の自分と友達だと迷惑がかかると思っていて、学校内では関わろうとしません。
つい、無視をしてしまうこともしばしばあり、川藤に申し訳ないと思いながらも、自分が関わることで川藤には迷惑をかけない・・・と決めているようです。
そして、クラスも違うので、教室でも1人で戦い続ける半田くん。
今回は、隣の席の女の子、みよ子ちゃんが消しゴムを落としたことに半田くんは気づいてしまいます。
みよ子ちゃん本人はまだ落としたことに気づいていないようで、半田くんはどうするべきか考え始めます。
どうする・・・拾うか？
いや、ダメだ、拾って言いがかりを付けられて罵倒されたりでもしたら立ち直れない・・・
そこでひらめく半田くん。
持ってきていた新品の消しゴムを取り出し、みよ子ちゃんが消しゴムが無いことに気づいた瞬間
「使え」
半田くんは、その消しゴムをみよ子ちゃんの机へと投げ込みます。
(新品の消しゴムなら流石に言いがかりも付けられまい・・・)
いや、そうじゃない・・・
またしても高圧的な発言・・・話し方さえなんとかなればコミュニケーションもうまくいくんじゃないかな～
みよ子ちゃんは、この半田くんの行動にトキメキを感じていますが、半田くんは全く気づくことはありません・・・
今回のポジティブ解釈
「私の消しゴムがなくなりかけてたから交換してくれたの？」
落としたことに気づいていない、「使え」と渡された新品の消しゴム・・・導き出された答えは・・・！
っていやいや・・・どういうことだよ！
もらった消しゴムがもったいなくて使えず、大切にしようとするみよ子ちゃん・・・
半田くんモテてますよ！モテてるよ～！(気づいて)
そして当の半田くんのネガティブ解釈
自分の消しゴムを渡したので拾ったみよ子ちゃんの消しゴムを使う
→「消しゴムの中にシャー芯が内蔵してやがった！悪質な罠！！」
半田くんの隣の席のみよ子ちゃんが羨ましがられている
→「嫌がられている」
書道が忙しいだろうと労られ掃除当番が免除される
→「邪魔なら邪魔って言えよな」
被害妄想が激しすぎる・・・
そして半田くんは川藤と合流。
2人で話すのは放課後、周りの目がないことを確認して一緒に下校する・・・
川藤と話している時の半田くんは普通に気の合う友だちといる少年の姿そのもの・・・
人間不信が解ければ高圧的な態度も改まるのでしょうか・・・
書道道具を買いたいと文具店へ立ち寄る2人・・・そこへ同校の生徒がやってきて・・・
半田くんは店の棚と棚の隙間へと隠れます。
何とも情けない姿になった半田くんを「その姿は誰にも見せてはいけない気がする」と川藤は必死に半田くんを視界からガードしてくれます。やさしいじゃねえか・・・
半田くんは大切な友人である川藤に迷惑をかけまいと川藤と仲が良いことを知られてはならないと行動しています。
何せ、自分が「嫌われ者」なので、仲良くしている人も嫌われてしまうと思い込んでいるのです。
いや、実際は半田くんはむしろ「人気者」なのですが・・・本人は気づいていないのでこんなことに・・・
そしてその後も道行く先で同級生と出くわす度に建物同士の隙間へと退避する半田くん。
半田くんにとって同級生は「敵」・・・そして川藤を守る・・・！
その半田くんの姿を見て、何やらニヤニヤしている川藤・・・
一度休もうと喫茶店へと入った2人はそれぞれ考え事を始めます。
半田くんは「川藤はいい奴」「オレからしたら唯一の親友だけど、川藤にとっては数いる友人の1人なんだろうな」と考えますが・・・
川藤は「半田がこんな性格になった原因はオレにある」と・・・
しかし、原因がわかっているにも関わらず、面白いからとしばらくこのままにしておこうとする川藤は・・・どうなんだろう・・・めっちゃ悪い奴なのでは・・・？
中学生の時の半田くんが、川藤の回想で出てくるのですが、明るくて笑顔が多くてまるで別人です・・・
気になったらぜひ読んでみてくださいね♪