「今もデジタルで絵を描いているけど、他のソフトの機能も知りたい!」
そんなあなたにデジタルペイントソフトのひとつ、クリスタこと、
「CLIP STUDIO PAINT」のご紹介です!
株式会社セルシスさんが販売しているペイントソフトですが、今回はその機能をさらっと簡潔に解説をつけてご紹介いたします!
目次
レイヤー機能
レイヤーウインドウ
描画した紙のようなものの一覧が表示されます。
レイヤーに関するマスクやロック、フォルダなどの様々な設定を行えます。
2ペインで表示することができるので、レイヤーを遠くのレイヤーの下などに移動させたい時なども便利です。
レイヤー検索ウインドウ
レイヤーの属性などを絞り込んでレイヤーを表示できます。
ベクターレイヤー
描画した線の情報を保持できるレイヤーです。描いた後でも自由に線の編集が可能です。
画像のサイズを引き伸ばしても、劣化することがありません。
べた塗りレイヤー・グラデーションレイヤー
レイヤー全体を塗りつぶしたりすることでも表現が可能ですが、編集がしやすい専用のレイヤーで作成することも可能です。
色調補正レイヤー
9種類の色調補正をフィルターとして作ることができるレイヤーです。
元のレイヤーを直接変更すること無く色の調整を行うことができます。
合成モード
29種類の合成モードでイラストのちょっとした効果を演出できます。
レイヤーマスク
描画部分を隠す事ができます。
レイヤーマスクを外せば隠れていた部分がまた見えるようになるので、消してしまうとやっかいな部分の修正や、描画部分を残したまま差分を作りたいときなどに有効です。
レイヤーマスクを適用を選択するとマスクが消え、マスクした部分の描画が消えたレイヤーとなります。
レイヤー設定
- 下のレイヤーでクリッピング
下のレイヤーに描画されている部分のみ表示することができます。 - 参照レイヤー
参照レイヤーに設定すると、様々なツールで参照することができます。 - 下描きレイヤー
下描きレイヤーに設定すると、下描きを除外する設定が機能します。
コマ枠フォルダ
コマ枠はフォルダとして作成が可能です。
コマ割りは、テンプレートを使うほか、自分で分割したり、作成したりすることができます。
コマ枠フォルダに入れたレイヤーは、コマ枠の外側をマスクした状態で表示することができます。
レイヤープロパティウインドウ
レイヤー全体に規定の編集を加えることができます。
-
境界効果
- フチ・・・描画した部分の外側にフチを付けることができます。設定できるフチの太さは最大10.00mmか250pxです。
- 水彩境界・・・描画した部分と描画されていない部分の間に水彩で描いたようなボカシ、グラデーションが設定できます。
-
ライン抽出(※【EX】の機能)
描画した絵や、画像素材の線を抜き出して表示できます。 - トーン化
描画した絵や画像素材をモノクロの網点の表現にすることができます。
レイヤーカラーと併用すると、色付きの網点にすることができます。 - レイヤーカラー
選択したレイヤーやレイヤーフォルダに色の属性をつけることができます。
基準としてはグレーにした時の黒寄りか白寄りかです。
レイヤーカラーでは黒のカラー設定が、サブカラーでは白のカラー設定ができます。
主なツール一覧
移動
てのひら・・・キャンバスごと画面を移動させることができます。
回転・・・キャンバスごと画面を回転させることができます。
いずれもデータには影響しないので、回転させたまま保存をしても、回転した画像になることはありません。
画像を回転させたい場合は編集機能の[変形]を使用してください。
虫めがね
ズームイン・・・キャンバスを拡大表示をすることができます。
ズームアウト・・・キャンバス縮小表示をすることができます。
自分の描きやすいサイズに調整しながら描くことができます。
操作
ベクターや画像レイヤー、3Dレイヤーなどの、特殊なレイヤーを編集操作することができます。
レイヤー移動
選択したレイヤーを移動させることができます。
選択範囲を作成してからレイヤー移動をすると、選択した範囲だけ移動させることができます。
選択範囲
図形での選択範囲の作成や、囲んで選択範囲を作成することなどができます。
自動選択
クリックすると、色で囲まれている範囲を自動で選択することができます。
ツールプロパティから、細かい設定をすることができ、全てのレイヤーを参照する以外に、編集レイヤーからのみや、指定のレイヤーの範囲(参照レイヤー)などに設定できます。
選択範囲レイヤー
選択範囲を保存していつでも同じ選択範囲を呼び出すことができます。
保存した選択範囲には、レイヤーカラーが適用されるので、選択範囲が点線だけだと見えにくい時に選択範囲がわかりやすくすることができます。
描画系ツール
ペイントソフトの定番ブラシツールです。
クリスタでは初期で色々用意されており、自分でカスタマイズすることも可能です。
ペン
入り抜きの表現が良い、アナログのつけペンのようなもの。
マーカー
アナログのミリペンのようなもの。
鉛筆
鉛筆のような薄さ、ざらっとさがあるペン。
筆
書道の毛筆のように、かすれ表現があるペン。
消しゴム
描画部分を消すことができる。
スポイト
クリックした箇所の色を取得します。
装飾系ツール
デコレーション
スタンプのようにブラシ先端が画像になっている描画ツールです。
草木や飛沫、リボンなどの表現が簡単にできるスグレモノ!
ちょっと華やかにしたい…と思った時にちょっと置くだけで映えますよ♪
エアブラシ
スプレーを吹き付けたような表現ができます!
色混ぜ
隣り合う色を混ぜることができます。
指先で絵の具を伸ばしたような表現ができたりもします。
ぼかし機能もあります!
塗りつぶし
線で囲まれた範囲をワンタッチで一気に塗りつぶせる機能です。
線の隙間が空いていてうまく塗れないときも、描き足し要らず!
「隙間閉じ」というカスタムをすれば隙間を塞いで塗ることが可能です!
塗り残しがあっても簡単に塗り足しできる機能もございます!
グラデーション
タッチ&ドラッグで簡単にグラデーションの表現が可能です。
色の変わり目のカスタマイズも自由に行うことができるので、自分だけのグラデーションを作成してしまいましょう!
等高線塗り
隣り合った2色をグラデーションにする機能です。
図形
四角形や円形などの図形の作画や、直線曲線もらくらくできます。
定規レイヤーで図形を作ってからなぞれば、線の強弱を付けたキレイな図も描くことができます。
その他、背景を描く時に欲しいパース定規や、左右対称の図が描ける対称定規など、便利な機能がたくさんあります!
テキスト
テキスト入力機能です。
縦書き入力と横書き入力のどちらにも対応しています。
フキダシは手書きのほか、図形ツールと同じように円形や四角形での作成も簡単に行うことができます。
行間や字間などの細かな設定も可能です。
フキダシレイヤー・テキストレイヤー
テキストやフキダシは、作成後も編集がし易い専用レイヤーで作られます。
ルビ振り
入力した文字に紐付いて「ルビ(ふりがな)」を入れることもできます。
ストーリーエディター※【EX】
マンガ制作には重宝!
ページごとに分けられたセリフなどのテキストも別タブで一括管理することができます。
テキスト編集に便利な「文字列検索」や「文字列置換」などの機能もあります。
線修正
ベクターレイヤーを使用すると、線の太さやカーブ、不要な点、線など、線画の修正を簡単操作で行なうことができます。
ラスターレイヤーでも、線の太さなどの一部操作は行うことができます。
素材ウィンドウ
画像素材
縦横の比率や元の解像度を維持した状態で編集が可能な2D素材です。
素材は初期で入っているもののほか、自分で作成したり、CLIP STUDIOからダウンロードすることができます。
3D素材
3Dの立体素材を使用することができます。
人物から背景、小物など、作画を補助できる素材が初期から入っています。
- 人型3Dモデル
データのデッサン人形です。
頭身やポーズなどを自由に設定することもでき、一から描くことが難しいシーンの補助として活用できます。
また、ポーズは初期で入っているもののほか、欲しいポーズをダウンロードして使うこともできます。 - 3Dキャラクター
ポーズのデッサン人形だけでなく、キャラクター素材として使える3D素材もあります。 - 3D背景
建物などの立体の素材で、そのまま加工して使ったり、トレースして使ったりすることで活用できます。 - 3Dオブジェクト
小物類の3D素材です。背景やモデル素材と合わせて使うこともできます。
色の選択系ウインドウ
カラーセット
色鉛筆セットや絵の具セットのように用意された色をまとめたパレットです。
初期で選べるカラーセットもいくつかありますが、自分で作った色を追加して保存することもできます。
カラーサークル
HSV色空間(色相、彩度、明度)とHLS色空間(色相、輝度、彩度)で色を設定することができます。
円が「色相」、四角が「彩度」と「明度」、三角が「輝度」と「彩度」です。
そのそれぞれの数値はカラーサークルウィンドウの下部に出ています。
カラースライダー
色をRGB(赤、緑、青)、HSV(色相、彩度、明度)、CMYK(シアン、マゼンダ、イエロー、ブラック)の数値で設定できます。
カラーヒストリー
使用した色や、スポイトから取った色を記録していきます。
左上が最新、右下にいくほど前に使った色になります。
記録はクリスタを閉じるとクリアされます。
記録を残しておきたい時は、カラーパレットに登録することもできます。
中間色
色を4色設定して、その4色を混ぜてできる中間の色を用意してくれる機能です。
オレンジとまでいかない赤みがかった黄色・・・などの細かい悩みが解決できます!
近似色
選択した色に似た色を用意してくれる機能です。
縦軸と横軸のそれぞれに設定できる「色相」「彩度」「明度」「輝度」「赤」「緑」「青」から数値を変更することで、似た色の選出方法を変更することができます。
作品管理
コミック形式で新規作成を行うと、漫画の専用設定を行うことができ、作品情報を変更しやすくなります。
クリスタ【EX】で新規作成をした時はcmcファイルで漫画の複数ページを紐付けして作成、管理をおこなうことができます。
レイヤーテンプレート・コマ割りテンプレート
初期から用意されているテンプレートのほか、自分で作成したテンプレートを登録、使用することができます。
ページ管理※【EX】
テキスト編集の「ストーリーエディタ―」や、ページの追加など、複数のページを同時に管理できる事が魅力的な機能です。
ページの入れ替えも簡単に行なえます。
ページを見開きにする・単ページにする
新規作成時に見開きの設定を行うことができますが、作成をした後でも、見開きか単一かの設定をし直すことができます。
綴じ位置、開始ページの変更
新規作成時に右綴じか左綴じか、左始まりか、右始まりかを選択できますが、作成した後でも、変更することが可能です。
ノンブル・ページ番号
テキストで1ページずつ打ち込む手間なく、自動でノンブルを振ることができる機能があります。
複数ページの一括処理
ページ管理をすることで、複数ページを続けてに印刷することが出来たり、一括で保存することができます。
アニメーション
CLIP STUDIO PAINTを購入すると、アニメーション機能も無料で利用することができます。
CLIP STUDIOの機能
作品の管理
今までに制作したイラストや漫画のデータがクラウド上で管理できます。
また、互換アプリからアップロードしたファイルの確認もできます。
連携できるアプリ
CLIPアカウントを取得することで、CLIP STUDIOのクラウドにデータをアップロードできるようになる、一部のお絵描きスマホアプリがあります。
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ibisPaint
株式会社アイビスモバイルさんが配信しているスマホアプリ「ibisPaint」で描いたイラストデータをCLIPSTUDIOのクラウドにアップロードすることができます。
アップロードしたデータはレイヤー情報を残したままクリスタで編集することが可能です。(※一部レイヤーはラスタライズされます) -
kakooyo!
クリスタの開発会社セルシスさんが配信しているスマホアプリ「kakooyo!」で描いたイラストデータをCLIPSTUDIOのクラウドにアップロードすることができます。
アップロードしたデータはレイヤー情報を残したままクリスタで編集することが可能です。
素材の管理・ダウンロード
持っている素材の確認や、必要な素材を探してダウンロードすることができます。
comicoに投稿する
comicoのウェブページへ直接いけるボタンが設置されています。
CLIP STUDIO PAINTには、comico用のテンプレートも用意されています。
pixivFACTORY BOOKSで同人誌を作る
用途に合わせたページに簡単に行けるメニューが用意されています。
CLIP STUDIO PAINT【EX】には、pixivFACTORY BOOKSのテンプレート設定のほか、複数の同人誌印刷会社のテンプレートも用意されています。
電子書籍データの作成
電子書籍を出版するためのEPUBやKindleのフォーマットでデータの出力できます。
コンビニプリント出力機能
CLIP STUDIOで管理している作品をセブンイレブンのマルチコピー機でプリントアウトすることができます。
作業環境・その他の機能
ワークスペース
ウィンドウの表示位置などをカスタマイズしてワークスペースとして保存することができます。
作業用途に合わせて保存したワークスペースを呼び出すことが可能です。
ヒストリー
これまでに行ってきた作業履歴が記録されます。
履歴に表示された項目を選択すると、そこまで遡って戻ることができます。
遡れる数は、環境設定から変更できます。
オートアクション
定形作業はワンクリックでできてしまえばとても便利だと思いませんか?
オートアクションはそんな作業効率を大幅にあげてしまう機能です。
変形
拡大縮小のほか、回転、反転などの変形編集が行えます。
そのほかにメッシュ変形という便利な変形機能も備えています。
画像を素材として登録
自分で作ったイラストを画像素材として素材登録することができます。
登録した素材は素材パレットからいつでも使用できるようになります。
フィルター
シャープやモザイク、波などのフィルターでイラストを編集することができます。
透明
基本的に透明の表示はグレーと白の交互のドットで表示されますが、この2色を変更することができます。
CMYKの表示
クリスタでは、RGBでの作画になりますが、CMYKプレビューモードがあり、CMYKでの発色のプレビューができます。
またCMYKでのjpegやTIFFでの保存もできます。
スキャン
スキャナを利用してアナログ原稿をスキャンすることができます。
【EX】では、複数の原稿を連続で読み込むことができ、ページへの配置も連続して行えます。
ネームや下描きをアナログでやる派の人には便利な機能です。
さいごに
今回紹介しきれなかったクリスタの便利な機能はまだまだあります!
すごい・・・知れば知るほどクリスタってすげえ・・・と思ってしまいます。
今後もアップデートでより便利になっていく予感がするクリスタ!次の大きなアプデまでには使いこなせるようになるぞ~!