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商業まんがのネーム化からまんがの描き方を学ぶ

漫画家志望のみなさん、こんにちは!咲花りんです!今回はまんがの演出をご紹介します。

今日は、商業誌のまんがを逆にネーム化してご説明しますね。
あえてネーム化した理由は、絵による効果(見た目の美しさや好み)に左右されず、純粋に演出を抽出するためです。
また、ストーリーからの影響も無くすためにセリフは入れていません。

それでは、ひとつずつご紹介していきます。

もくじです↓

「俺物語」より基礎の演出

基礎的な演出を細かく守っている印象でした。
読みやすさにかなり気が配られています。
特に、フォントの大小表現と細かいコマやセリフの位置関係を見てみましょう。

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◆ひとコマ目とふたコマ目には、モノローグの四角が配置されていますが、
よく見ると、上部が同じ高さにそろわないようにしています。
これには、読者の目線を時系列に誘導する意図が見受けられます。

まんがは時間が上から下へ、右から左へと流れるのが基本的な考え方です。

なので、あとから出てきたモノローグはより左へ。より下へと配置すると読み手に親切ですね。
(もちろんこのルールに則ることが全てではありません)

◆モノローグ下側の四角を次のコマへかぶせることによって、次のコマへの目線誘導が生きています。

感情の高ぶりや、協調したいセリフは大文字にしています。
どこを強調して伝えたいのかということは、ネームを描く段階から意識しておきたいことのひとつかと思います。

「ハルコイ」より応用の演出

感情に訴えかけるような物語だったのですが、読者の心をより揺さぶるような演出がされているように思います。

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◆時間経過の早いシーンは、コマが凝縮されるように多く詰め込まれています。

◆同じような構図の絵があるが、各コマできちんと役割が分かれている。

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◆キャラクター同士のトラブルを表すシーンで、アオリやフカンが多用されていて、不安感がより引き立っている。

◆さっきのシーンにもあったが、カバンが落ちる。キャラクターの心情を表すひとつの見せ方になっている。

◆アオリやフカンの段階を、何段階も自在に操っている

ショッキングなシーンに雨。王道だがやはり印象に残りやすい。

「のぼさんとカノジョ?」よりユニークな演出

コマの装飾が面白かったので紹介します。

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◆写真を見るシーン。枠が、アルバムの枠として描かれていて、読者がアルバムを手にしているように読める工夫がされている。

◆また、間に入る回想シーンにはコマに丸みをもたせて性質を分けている。

◆現在の時間軸のシーンは通常の四角いコマ。

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◆スマホで写真を撮るシーンは、画面越しに見た様子を丸みのあるコマで表現されている。

その他の演出

キャラクターの向きに意識を向けたことはありますでしょうか?
実は、私は今回色々と調べた中で初めて知りました。

左向きの人物が表すのは、基本的に前進。意味としては陽(明るい方)、未来で、
右向きの人物が表すのは、停止か後退、意味としては陰(暗い方)、過去、自己の内面という考え方があるのだそうです。

全てのまんがに共通しているわけではありませんが、とても説得力のある記事を書かれている方がいたのでご紹介させていただきます。

特に、長屋の花見~ほうじ酒様の「RIAに見るマンガの流れ方」は顕著にその通りになっていてトリハダが立ちました|д゚)

ARIAに見るマンガの流れ方ー長屋の花見~ほうじ酒~

漫画の左右の向きの研究史 – ピアノ・ファイア

ドラゴンボールの左と右と読みやすさの秘密-ニカイドウレンジ公式ブログ

いかがでしたでしょうか(*^_^*)少しでもまんが作成の参考にしていただければ幸いです。

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